左下腹部に違和感があるとき 2

■　女性のが痛む原因


では、前回に引き続いて、予告どおり「女性編」をお送りします。


右と左。どちらでもいいのですが、女性が、下腹部に違和感や激痛を感じる場合は、次のような病気を抱えている可能性があります。


・卵巣嚢腫

卵巣嚢腫とは、卵巣の中に液体が溜まることで、腫れてしまう状態のこと。卵巣は子宮の左右両側にひとつずつあって、卵巣と子宮をつないでるのが卵管です。通常、卵巣のサイズは直径２～３cm程度。はれが生じた状態が「卵巣腫瘍」です。どちらかの卵巣に発生するのが一般的ですが、ときには両側に発生することもあります。

ほかの臓器の腫瘍に比べると、卵巣腫瘍は、非常にたくさんの種類があります。大きくは、良性と悪性、その中間的な「境界悪性」の３群に分類されます。内部に液体を含んだ「嚢胞性（のうほうせい）腫瘍」は良性のことが多く、そうでない「充実性（じゅうじつせい）腫瘍」は、約75～80％程度が悪性か境界悪性腫瘍です。

腫れが大きくなって、卵管がねじれてしまう場合もあり、下腹部に激痛や吐き気などを伴います。


・子宮筋腫

子宮の筋肉が大きくなったり、増加したりしてできる腫瘍のことです。発生する場所はいろいろで、それによって症状も異なってきます。子宮筋腫にかかると、生理痛を激しくさせます。また、筋腫が大きくなると膀胱を圧迫してしまい、頻尿や便秘の原因にもなります。

・卵管炎

細菌などでおこる卵管の炎症のことです。下腹部に激痛が走り、発熱も伴います。

・妊娠初期

妊娠の初期には、生理痛のような鈍痛があります。下腹部や卵巣があるあたりに痛みを感じることもあります。また、左下腹部痛がある場合には、骨盤のゆがみが影響していることがあります。骨盤は、子宮、膀胱などを支えていますが、なんらかの原因で歪んだりすると、周辺のバランスが悪くなり、生理痛、頻尿、下腹部痛などがおこるとされています。

こうした、骨盤のゆがみによる左下腹部痛は、病院の検査では原因が見つけにくいようです。



ほかに、「生理前」や「便秘」などでも、下腹部が痛むことがあります。

生理前に下腹部に感じる痛みは、PMS(月経前症候群)の症状です。いわゆる生理通ですね。しかし、左下腹部に違和感を感じる場合には、子宮が原因になっている可能性は低くなります。また左下腹部には、S字結腸がありますので、いろいろな可能性を考える必要があります。生理通が隠れ蓑になって、発見が遅れる危険性があるので、いつもと違うようなら、医者に相談してください。

便秘が続くと、左下腹部にあるS状結腸が張って、まるで「しこり」があるような違和感を感じることがあります。

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